流す。

太陽が沈んで外はもう暗く。
昼間の暑さが嘘のような涼しさ。
聞こえるのは虫の音と猫の動きのみ。

なんだかんだ、
毎日気を張っているのだなっと
宿題も翌日テストも無い、
静かな夜を感じながら思う。

術中の麻酔管理をしている時。
安楽死の話がでる時。
患者が麻酔から覚めた時。
命を扱っている事を改めて実感する。
怪我や病気の重さは違えど
どのコも頑張って生きている。

生と死とを身近に感じる環境に一日中いると
家に帰って落ち着いた時に無性に泣きたくなる。
悲しいとか、辛いとかそんな理由ではなくて
ただただ、張っていた気が緩む事で
溜まっていたモノが涙となって流れていくだけ。

表現し難い、無色なソレは
基本的に無視できる程度に無害で
でも、思い出したように疼き
放っておくと溜まっていくのが分かる。

だけど、ソレを言葉で表現したところで
理解してくれる人が身近にいない今は
言葉も無く、静寂に包まれながら
涙と呼吸と共に流していく。
  

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