スタート地点はまだ遠く

さてさて。
久しぶりに生物学ネタに戻ってきましたが
またちょっと脱線します。

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たぶんこのブログの常連さんなら、
常連さんでなくてもたまに見てくれる方なら
一度は思ったことがあるでしょう。

あんた何者?!

っと。

マニアックな知識を持っているのにも関わらず
獣医じゃないと言っている。
でもどう見ても獣医・畜産系の知識だろ。

はい。
確かにそうですねー。
プライバシーを明かさない程度に(笑)お答えします。

・・・

私は獣医ではありませんし、獣医学部生でもありません。
でも願わくば獣医になりたいという獣医志望生です。

2010年3月に獣医大学に合格しました。
アメリカで獣医になるためにの詳しい説明は下をご覧ください。


私の専攻はAnimal Science、直訳すると動物科学です。
その名の通り、動物について学びます。
基礎動物科学、栄養学、繁殖生物学、解剖・生理学などを学んできました。
選択必修科目はウシ、ブタ、ヤギ・ヒツジ、ウマなど動物ごとに分かれているものもあり、
自分の興味がある動物について学べます。私はもちろん馬学を学びました。
でも卒業してもらえるのは学士学位だけです。
獣医になりたければ獣医大学に受かり、そこでまた4年ほど獣医学を学ぶ必要があります。

アメリカは日本のような大学受験がありません。
一応全米共通テストはあるけれども日本の大学入試に比べれば簡単です。
願書、いくつかのエッセイ、そして成績を送り、それを元に大学側が合否を決めます。
確か推薦状も書いてもらったかな。数ヶ月で返事が来ます。

アメリカの獣医大学は「〇〇獣医大学」のように存在しているわけではなく
日本の獣医学部のようにもともとある大学の一部なことがほとんどだと思います。
例えば、コーネル大学内に獣医大学がある感じです。
それでも大学新入生が入れる「獣医学部」というのはないです。

獣医大学は各大学が決めた必須単位をとってようやく願書を出す資格がもらえます。
その必須単位さえ取れれば学士学位をとる前でも願書を送れるけれども
結構詰まったスケジュールになること間違いなしです。
大抵3年かかるんじゃないかな。
学士学位を取るのに4年なので多くの人が大学を卒業して
次のステップとして獣医大学に入ります。

願書の他にGREという全米共通テストを受けなくてはいけません。
また、推薦状も少なくとも2、3通(学校によって違う)必要です。
きちんと調べてないので分からないけれども、
多分1通は獣医からの推薦状でないといけないところもあったはず。
それか獣医でなくてもPhD(博士学位)保持者ならOKかもしれません。

成績もかなり大事です。
学校によっては最低限のGPA(成績評価法)が決められているところもあります。
でも受ける人の平均成績は100点満点で表すと85~95ぐらいかと・・・。
これもはっきり調べたわけではないし、学校によって違うのでなんとも言えませんが。

そして1番私の頭を悩ませるのが「経験」が必要だということ。
獣医大学を受けたいと思っている人は動物病院(獣医の下)で働いた経験が必要。
早い人は高校が始まった時点で動物病院でバイトしています。
高校1年で渡米した私は高校卒業直前までその事実を知りませんでした。
幸い、アルバートを見てもらっていた獣医さんが凄く優しくて
高校卒業した年の夏にボランティアを、その次の年にひと夏働かせてもらいました。

でも動物病院で働くなんて皆やっています。
個性を大事にする、自己アピールが必要なアメリカなので
周りと同じコトやっているだけでは有利にはなりません。
なので去年の夏は日本に帰らず大学でバイトをしました。
正直これで十分なのかはわかりません。

アメリカでは、公立の大学は州外枠と州内枠とがあって(私大は無いかも??)
その大学がある州内の生徒は州外から願書を送る生徒よりも有利です。
なぜなら州内生のほうを多く取るからです。
私の大学は大きい大学ですが10%だけが州外生です。

獣医大学もそれは同じですがなにぶん取る人数が違う・・・。
州内生100人に対して州外生20人弱というのが殆ど。
願書提出は州外生だけで約300人。(学校によってはもっと多く・・・。)
そして私が行きたい獣医大学では、私は州外生・・・orz
なので鬼になって高成績保持に全身全霊を注いでいるのです。

例え獣医大を持っている大学の生徒だからといって
エスカレーター式に楽に入れるというのは無いです。
コーネル大学に通っていても獣医大学に入りたいのなら
コーネルに通っていない大学生と同じ「受験生」です。
合格する確率が多少上がるかもしれないけど期待していいほどではないと思う。


っとダラダラ書きましたが、要するに獣医になるには

大学4年→獣医大学4年→無事卒業なら獣医師資格取得→開業するなら州の試験を受ける

が最短なのです。短くありませんねー(号泣)
日本に帰るのならば日本で国家試験を受けなくてはいけません。

・・・

そんなわけで私は動物科学が専攻な大学生であって
獣医学とは今のところ直接的な縁はありません。

正直、大学入ってからの3年間はプレッシャーとの戦いでした。(まだ続いてますが)
かなりの狭き門を挫けずに目指すのは結構精神力が必要ですね。
ストレスに凄く左右されてしまう人間なので、
ストレスのため過ぎが原因だと思われる突発的な眼病もしました。(汗)
日本から遠く離れたアメリカでの孤独な挑戦。
それでも学問だけでなく、人生そのものを学ばせてもらっているので
たまに遊んでいられる(らしい)日本の大学生が羨ましくなることもあるけど
今ここで苦労していることを後悔はしていません。
広すぎる太平洋を越えた日本で応援してくれている両親に感謝します。

結果がどうであれ、アメリカに来てからの6年半、精一杯やるだけのことはやったと思う。



ちょっと暗い(?)話だったので最後はあるぽんで和んでください。(笑)
itchyalbert


p.s. 学部と学科の違いってなんでしょう?

Comment

Re: スタート地点はまだ遠く

アメリカの入試(?)は良いですね。
自分が今までやってきた努力が評価してもらえるって実感があって。
努力した人が馬鹿を見ない。
日本の入試はどんなに努力しても、本番で失敗してしまったらもう終わりです。
てか医学部の場合、成功しても年齢が高いという理由だけで落とされたりしますし。

2009.04.04(Sat) 18:09       k坊 さん   #-  URL       

Re: スタート地点はまだ遠く

6年半ですか!?
良く頑張って来られましたね!
途中めげそうになった事や嫌な思い、辛い思いもあったでしょうに・・・

ブログでしか存じ上げないのに、こういう言い方は良くないかもしれませんが、
彩さんは若い方なのに周りに流されず、しっかりと目的意識を持って
頑張っていらっしゃいますね。
また、ちゃんとご両親への感謝の念をお持ちなのは素晴らしいですよ。
将来、悔いなくご希望の道に進まれる事を祈念しています。

経験・・・こればかりは時間が解決する事ですね。

2009.04.04(Sat) 22:07       東京City さん   #-  URL       

Re: Re: スタート地点はまだ遠く

K坊さん>
そうですね!学歴社会であるアメリカのいい所の1つだと思います。
願書提出した時は在米3年で英語が完璧でなかったけれども
努力を認めてもらえて入学できたのは本当にありがたいです。
えー!!医学部はそんな馬鹿なことするんですか!
アメリカでは大人でも大学生の人はいます。医学部は知らないけど。
日本も多少見習って欲しいですね~。

2009.04.05(Sun) 01:27       彩 さん   #-  URL       

Re: Re: スタート地点はまだ遠く

東京Cityさん>
お褒めの言葉ありがとうございます!!
6年半といいましたが高校時代の4年間は家族と一緒に住んでいました。
その後、大学入学と共に1人だけアメリカに残りました。
私は海外で生活するだけの精神力は持ち合わせているけれど
決して変化に強い人間ではありません。
なので1人きりになった上に州も変わったので最初は辛かったです。
でも1人暮らしを始めて初めて自分を知った気がします。
しっかり目的意識を持っていると言ってくださいましたが、
実は日本にいた時は消極的でした。出る杭は打たれるので。(苦笑)
アメリカで1人暮らしは自分にとってはかなりの荒治療だったと思いますが
お陰で自分自身を知ることも出来たし、(前にも書いた気がしますが)
自分がどれだけ無力であるか、そして支えてくれる人がいるありがたさを
心から実感できたと思います。本当に幸せ者です。
こう思えるようになったのも1人になってからなので
人間きっかけさえあれば変われるんだなとつくづく思います。

優しいお言葉、本当にありがとうございます。(^^)

2009.04.05(Sun) 01:54       彩 さん   #-  URL       

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