命を扱うということ。

オリエンテーション最終日は
結構暗い話もちらほら聞いて
その一つに安楽死がありました。
今日はそれについてちょこっと書いてみました。
そういう話題OKな方は追記へどうぞ。


大好きな動物と触れられて
理想の仕事に見える獣医という職業。
でもね、他の医療系の仕事に比べると
7倍ぐらいも自殺者が多いのだって。
理由は一つではないのだろうけど、
やっぱり安楽死は一つの大きな要因。

全体的な数を調べたことが無いから比較出来ないけど
アメリカの方が日本より安楽死は遥かに多いと思う。
一夏動物病院で働いていたときに何度も立ち会った。
最初っからアポの内容が安楽死なのもいくつもあった。

不治の病。
金銭的な理由。
事故にあって回復の見込みが無いとき。
病気の伝染を食い止めるため。
他にも理由はあるのだろう。
飼い主が提案することもあれば
獣医の方から提案することもある。

なぜか?

可能な限り動物を苦しませないことが
獣医の仕事の一つだから。
もちろん、飼い主の意思は尊重されるし
基本的に決定権は飼い主側にある。
それでも、苦しんでいる動物を目の前にして
ただ死んで行くのを見ているだけというのもやるせない。

(州によっては獣医が安楽死が最善の処置だと思ったら
決定権は獣医が持てる法律があるらしい。)

金銭的な問題はもっと辛いと思う。
でも、どれだけ愛していてもお金がなければ飼えない。
特に馬を飼っている家庭なんてそうだろう。
日本じゃそんな家庭は滅多にお目にかかれないけど
アメリカだと結構そこらへんにいる。
今のこの景気ではいつ職を失うかも分からない。
飼い主が職を失い、行く当ても無くなってしまい
最終的には安楽死になってしまった動物は多いんだろうな。

日本で大騒ぎされた口蹄疫。
「殺処分」という言葉が使われたけど
結局のところ安楽死と同じなはず。
病原菌が広まらないように次々と死んでいった家畜たち。
農家にとっても獣医さんにとっても
相当つらい仕事だったんだろうなと思った。
私もまだ見ただけでやったこと無いけどさ、
分かるかな?今まで生きていた動物が
注射をうつと動かなくなっちゃう時の気持ち。
目から光が消えて存在感が薄くなる感じ。
存在感っていうか、生き物が発するエナジーかな。
動物が好きでなった獣医という仕事なのだから
喜んで安楽死を引き受ける獣医はいない。
でも、切っては切れぬ関係なのもまた現実。
どうか、口蹄疫の被害にあった人々や
処置に全身全霊をかけた獣医さんたちに
温かい心を分けてあげてください。

アメリカで安楽死の数が少なくないのは
宗教的な理由が大きいと思う。
「神様の元へ帰るのだから大丈夫」
宗教に抵抗感がある私でも
実際に自分が獣医として安楽死を行う身になれば
そういう風に思いたくなるのかな?

安楽死が良いか悪いかは正直分からない。
動物であれ命は命。正論を言えば、奪って良いものではない。
だけど、避けて通れない道なのは確か。
罪の意識に悩まされて命を絶つ獣医もいるのだろう。
自分がどうやって気持ちの整理をするようになるのか
まだ分からないけど、見つけなくちゃいけないのは分かってる。
溜めちゃいけない。

実際に自分で体験するまで
本当の辛さは分からないのだろうけど
良いトコ悪いトコ全部ひっくるめて
自分の職業にするという覚悟を決めたのだから
逃げずに向き合いたいと思う。

Comment

Re: 命を扱うということ。

どういう状況にしろ
命に責任をとらなければならないと思う。飼っている人間は。
金銭的な問題や他の問題も含めて命を軽視している人が多いよね
↑病気で苦しくて苦しくて・・・という場合以外はね^^;

あれ覚えてるかな。って今は時代が違ってて映画知らないかな?戦争の象さんのお話。
あれを思い出しちゃったね。飼っている人も苦しいけど動物も案外わかってるんだよねぇ・・。一番苦しくて辛いのは動物かもしれないね><

2010.08.12(Thu) 12:19       なんくるないさ@ さん   #-  URL       

Re: 命を扱うということ。

獣医さんって安楽死を請け負うこともあるのは初めて知りました。
そうすると確かに他の医業より大変な場面が多いといえるのかもしれませんね。
きっと彩さんが将来、獣医さんとしてやって行くには、いざというとき責任を分担してくれる上司、慰めてくれる同僚や部下の存在って大事なのかもって思いました。

私のほうは動物を飼う側の立場として、できる限り、良い飼い主に恵まれて良かったようって思われるように育ててやりたいな!って思いました。

2010.08.13(Fri) 00:19       アイテム さん   #9u5TtERQ  URL       

安楽死の制度

 彩さんこんにちは。安楽死の問題は道徳的観
念、法的観念、そこに人の気持ち、など様々
なことが絡んできてすごく大変なことです。

 彩さんのこの記事を読ませて頂いて人間も
動物の安楽死も殆ど内容は変わらないと感じま
した。

 僕は動物の安楽死ではないのですが、法学部で
勉強をしていたので安楽死を認めるか認めないか
ということを勉強してきました。
 刑法と憲法の間での問題で、尊厳死などとも
呼ばれることがあります。

 僕もこの問題に関してはよく分かりません。
試験の時は、安楽死を認めるか、認めないかと
いうことについては一般的な学説と判例を元に
自分の考えをはぐらかす感じで回答したことを
今でも覚えています。

 僕もまたこの問題には向かいあわなければ
ならないので、思い出せて大変有意義でした。
ありがとうございます。

 3年後くらいには僕もアメリカへ行くと
思います。法律の勉強のためです。
 もしかしたら、ディスカッションできる
機会が未来にあるかもしれませんね。

 安楽死の制度はきついことですが
彩さんとディスカッションが出来るように
しっかりと目的を見失わず、決められた期間で
一生懸命やって、しっかり目的であるアメリカ
へ留学をして法律の勉強をしようと思います。

 なんだか意味の分からないコメントになって
しまってごめんなさい。
 難しい問題ですが、ただ向き合っていくことが
最も重要なことだと思うというのが僕の出した
答えです。

 大変なことですが、向き合って考えていきま
しょう。

2010.08.13(Fri) 10:58       NORI さん   #-  URL       

なんくるないさ@さん

> どういう状況にしろ
> 命に責任をとらなければならないと思う。飼っている人間は。
> 金銭的な問題や他の問題も含めて命を軽視している人が多いよね
> ↑病気で苦しくて苦しくて・・・という場合以外はね^^;
>
> あれ覚えてるかな。って今は時代が違ってて映画知らないかな?戦争の象さんのお話。
> あれを思い出しちゃったね。飼っている人も苦しいけど動物も案外わかってるんだよねぇ・・。一番苦しくて辛いのは動物かもしれないね><

責任とる必要・・・うん、確かに。
でもそれはどんな形にすればいいのだろう?
やっぱり人間じゃないからって言う意味で
命を軽視している人はいるのかもしれないね。

ん~なんかその象の話聞いたことあるかも。
動物は分かっているよー!絶対に。
少なくとも自分が関わった動物が幸せになれるよう
精一杯頑張りたいな~と思います。

2010.08.14(Sat) 07:11       彩 さん   #-  URL       

アイテムさん

> 獣医さんって安楽死を請け負うこともあるのは初めて知りました。
> そうすると確かに他の医業より大変な場面が多いといえるのかもしれませんね。
> きっと彩さんが将来、獣医さんとしてやって行くには、いざというとき責任を分担してくれる上司、慰めてくれる同僚や部下の存在って大事なのかもって思いました。
>
> 私のほうは動物を飼う側の立場として、できる限り、良い飼い主に恵まれて良かったようって思われるように育ててやりたいな!って思いました。

へ~知りませんでしたか、獣医が安楽死に関わること。
やっぱりこれは文化の違いなのかしら??
そうですね。精神的な負担が多い事もありそうです。
でも、アイテムさんの言う通り、良い仲間に恵まれてたら
乗り越えて行けるのかもしれません。^^

ワンちゃんいっぱい愛してあげてくださいね~!!
気持ちだけで動物って分かってくれますから。
あ、でも甘やかし過ぎには注意ですよ。(笑)

2010.08.14(Sat) 07:18       彩 さん   #-  URL       

Noriさん

>  彩さんこんにちは。安楽死の問題は道徳的観
> 念、法的観念、そこに人の気持ち、など様々
> なことが絡んできてすごく大変なことです。
>
>  彩さんのこの記事を読ませて頂いて人間も
> 動物の安楽死も殆ど内容は変わらないと感じま
> した。
>
>  僕は動物の安楽死ではないのですが、法学部で
> 勉強をしていたので安楽死を認めるか認めないか
> ということを勉強してきました。
>  刑法と憲法の間での問題で、尊厳死などとも
> 呼ばれることがあります。
>
>  僕もこの問題に関してはよく分かりません。
> 試験の時は、安楽死を認めるか、認めないかと
> いうことについては一般的な学説と判例を元に
> 自分の考えをはぐらかす感じで回答したことを
> 今でも覚えています。
>
>  僕もまたこの問題には向かいあわなければ
> ならないので、思い出せて大変有意義でした。
> ありがとうございます。
>
>  3年後くらいには僕もアメリカへ行くと
> 思います。法律の勉強のためです。
>  もしかしたら、ディスカッションできる
> 機会が未来にあるかもしれませんね。
>
>  安楽死の制度はきついことですが
> 彩さんとディスカッションが出来るように
> しっかりと目的を見失わず、決められた期間で
> 一生懸命やって、しっかり目的であるアメリカ
> へ留学をして法律の勉強をしようと思います。
>
>  なんだか意味の分からないコメントになって
> しまってごめんなさい。
>  難しい問題ですが、ただ向き合っていくことが
> 最も重要なことだと思うというのが僕の出した
> 答えです。
>
>  大変なことですが、向き合って考えていきま
> しょう。

いつもコメントありがとうございます!

なるほど~!Noriさんも、人間の方ですが
安楽死(尊厳死)について考えられた事があるのですね。
人間となるとまた主観が入ってしまって
客観的な考えをもつのは難しくなりそうですね。
本人が望めば尊厳死を実行していいと思いますが
いざそれが自分の家族や恋人だったらと考えると
色々躊躇してしまう事も多そうです。

視点によって意見が変わるので
正しい答えって無いような気がします。
そうですね、いつかディスカスできたら
違う意見も聞けて面白いでしょうね。^^
3年後ならまだアメリカにいる予定ですよ。(笑)

>ただ向き合っていくことが
最も重要なことだと思うというのが
僕の出した答えです。

私もその意見に賛成です。
向き合いすぎて色々見失っては大変ですけど
途中で見方が変わっても考え続けていきたいです。

コメントありがとうございました!

2010.08.14(Sat) 07:30       彩 さん   #-  URL       

Re: 命を扱うということ。

この記事を読んでドクターキリコ(マンガ「ブラックジャック」に出てくる医者)を思い出しました。

獣医さんに限らず、医療って色々と倫理観にふか~く関連する問題が多いですよね。
安楽死・尊厳死、脳死、遺伝子、“死”や“生”それ自体などなど。。。

人間に対する積極的安楽死については日本の法律では完全にアウトです。殺人罪(若しくは同意殺人罪)になってしまいます。
動物に関しては、飼い主のOKが出ているはずなので、法律的にはセーフです。
でもだからといって、動物に対して「安楽死を行うべきなのか?」という問題は、飼い主にとっても獣医さんにとっても考えるべき事がたくさんありそうですね。

個人的にはなるべく安楽死を避ける方法を数多く獣医さんが提案し、それでもやむを得ない場合だけ、安楽死を行うようにすることが良いように思います。
プロフェッショナルとしては自分なりの答えを持つことが大事ですが、その考えを自分の経験や新たな知識の習得を通して、何度も見直すことも大事かもしれませんね。


>良いトコ悪いトコ全部ひっくるめて
>自分の職業にするという覚悟を決めたのだから
>逃げずに向き合いたいと思う。

とっても大事なことだと思います。

2010.08.14(Sat) 15:49       ぽん さん   #-  URL       

ぽんさん

> この記事を読んでドクターキリコ(マンガ「ブラックジャック」に出てくる医者)を思い出しました。
>
> 獣医さんに限らず、医療って色々と倫理観にふか~く関連する問題が多いですよね。
> 安楽死・尊厳死、脳死、遺伝子、“死”や“生”それ自体などなど。。。
>
> 人間に対する積極的安楽死については日本の法律では完全にアウトです。殺人罪(若しくは同意殺人罪)になってしまいます。
> 動物に関しては、飼い主のOKが出ているはずなので、法律的にはセーフです。
> でもだからといって、動物に対して「安楽死を行うべきなのか?」という問題は、飼い主にとっても獣医さんにとっても考えるべき事がたくさんありそうですね。
>
> 個人的にはなるべく安楽死を避ける方法を数多く獣医さんが提案し、それでもやむを得ない場合だけ、安楽死を行うようにすることが良いように思います。
> プロフェッショナルとしては自分なりの答えを持つことが大事ですが、その考えを自分の経験や新たな知識の習得を通して、何度も見直すことも大事かもしれませんね。
>
>
> >良いトコ悪いトコ全部ひっくるめて
> >自分の職業にするという覚悟を決めたのだから
> >逃げずに向き合いたいと思う。
>
> とっても大事なことだと思います。

コメントありがとうございます。^^

ドクターキリコって名前だけ聞いた事あるかも。
考えてみたらブラックジャックは全巻読んだ事無いわ!

本当に医療から倫理問題は外せません。
議論するには興味深い事ですが、
それと向かい合わなくてはいけないと思うと
悩ましい問題です。
誰に安楽死の決定権があるのかっというような
法律まで絡んでくるとなおややこしいですし。
テクノロジーが進化するにつれて
一般市民からは受け入れられないようなことも
増えてきていると思うので、
この議論はなくならないでしょうね。

ぽんさんの仰る通り、出来るだけ安楽死は回避したいです。
そして自分の考えを見直す事も大切でしょうね。
この問題に関しては一つの答えって無いと思うんです。

大変だけど、頑張ります。^^

2010.08.15(Sun) 00:39       彩 さん   #-  URL       

Re: 命を扱うということ。

安楽死
難しい問題ですね
命を扱う彩さんの目指す道ではそういう場面に日常的にしかも多く直面するお仕事ですよね
気持ち的には分かっていても経済やその他でどうしても安楽死の方向へ向かう場面は必ず出てくると思います
また苦しみをこのまま与え続けてでも少しでも延命する(生きていて欲しい)という方法ともうこれ以上苦しませるのは可哀想なので安楽死をという選択もあります(それは人間でも全く同じです)
正直どちらを選択するかはその時その立場になってみなければ僕は分からないと思います

ただ仕事では割り切る気持ちは必要でしょう(心にどこか引っかかるものがあっても)
仕事は毎日続くわけですし
もし仮に頼りにしている獣医師さんがその事で悩んで仕事を辞めてしまうのなら医療を受けさせたい動物と飼い主さんが結局困るだけですから・・・



2010.08.15(Sun) 08:41       多摩の旅人 さん   #mQop/nM.  URL       

多摩の旅人さん

> 安楽死
> 難しい問題ですね
> 命を扱う彩さんの目指す道ではそういう場面に日常的にしかも多く直面するお仕事ですよね
> 気持ち的には分かっていても経済やその他でどうしても安楽死の方向へ向かう場面は必ず出てくると思います
> また苦しみをこのまま与え続けてでも少しでも延命する(生きていて欲しい)という方法ともうこれ以上苦しませるのは可哀想なので安楽死をという選択もあります(それは人間でも全く同じです)
> 正直どちらを選択するかはその時その立場になってみなければ僕は分からないと思います
>
> ただ仕事では割り切る気持ちは必要でしょう(心にどこか引っかかるものがあっても)
> 仕事は毎日続くわけですし
> もし仮に頼りにしている獣医師さんがその事で悩んで仕事を辞めてしまうのなら医療を受けさせたい動物と飼い主さんが結局困るだけですから・・・

本当に難しい問題です。
自分の中で答えが見つかっていても、
それが飼い主さんのと必ずしも合うわけじゃないですし。
経済的な理由と気持ち的な理由(延命)。
どちらも尊重しなくてはいけないのでしょうけど
理不尽に思う事もあるのだろうなと思います。

多摩の旅人さんが仰る通り
割り切る気持ちは必要なのでしょうね。
一々悩んだりしていたら心がもちません。
他にもたくさんの飼い主さんが
自分のペットの治療を求めているのですものね。
それを忘れないでおきたいです。

コメントありがとうございました。^^

2010.08.15(Sun) 23:15       彩 さん   #-  URL       

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