航海の先。

それはあっさりと訪れた。長い航海など無かったかのように。音楽や歓声を伴った華やかな出迎えを期待する前に陸を踏みしめていた。旅を始めるずっと前からこの瞬間が決まっていたかのように。日常の一コマ。それ以上でもそれ以下でもない。海を忘れていない体が揺るぎない地面の上で微かに揺らぐ。夢の中にいたのか、これが夢なのか。一つの章の終わり。急に力を得たわけでも急に知識が増えたわけでもない。振り返れば築き上げた歴...

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